棚田、ただただ美しく

2017.05.25

5月下旬のとある日。時刻は18:35。

峰の向こうに、今日の太陽が沈む瞬間。天空に広がる水平の鏡が、一刻一刻変化していく夕空を映し出し、その奇跡のような景色は、目の前に広がった。棚田は、自然と人が創り出すアート。そんな気がする。そして、なにかを思い出しそうな、そんな景色。

 

ここは高須地区にある”そら” という名前の場所。いい名前。

この場所に立って、ふっと見上げると、すぐそこに空がある。こんなに空を近くに感じる場所があるんだなぁ。いい名前、素敵な場所。そう、棚田の中に、空が広がっている。

 

先人が、ずっと、ずっと、守り続けてきた場所。山を切り開き、はるか山奥から水をひき、草を刈り、畦をかき、苗を植えてきた。お米と、お米を作る人々を、ずっと、ずっと、育んできた場所。美しいわけだ。

 

そこには、自然と共に生きてきた、暮らしがある。春夏秋冬、自然が生み出すリズムをとらえる。そのリズムに従って、人は暮らしの調律を合わせていく。自然には、あらがえない。受け入れること。

 

自然と共に暮らすことは決して楽なことではない。雨が降る日を待つこともあれば、雨がやむ日を待つこともある。泥にまみれ、草にもつれ、太陽にやかれ、風雨にさらされ、生きている。振り下ろす、ひと鍬ひと鍬が、土を耕し、畝を作り、新しい芽の息吹となる。

棚田、ただただ美しく。夕暮れの棚田を眺めながら、そんなことを考えていました。

 

『高須の棚田』

 【問い合わせ】 info@reihokukikou.kochi.jp/080-6288-6534

この記事を書いた人

Maeda Kazutaka
Maeda Kazutaka
れいほく紀行編集長。高知県出身。2015年4月より土佐町石原地区での暮らしを始める。地域の宝もんを発掘しながら、里山暮らしに必要な心技体の修行を積みつつ、「つながる・つなげる」をテーマに、世界中からの旅人を受け入れるゲストハウス『omoya』オープンに向けて奮闘中。細胞にしみわたる音楽と、精神を解放するお酒をこよなく愛する。



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